外壁塗装は一度塗ったら終わりではなく、定期的に塗り替えをしなければいけません。
基本的には、塗装の耐久性が落ちてくる前に行うことが良いとされていますが、具体的にどのタイミングで再び塗装をしなければならないか、ご存じでない方も多いでしょう。
そこで今回は、外壁塗装の耐久性を表す耐用年数について、メンテナンスのタイミングと併せてご紹介します。

□耐久性能を表す塗装の耐用年数に注意

塗料の耐久性を表す耐用年数は、一律で同じ数字になることはありません。
使っている塗料の種類や住宅の外壁材、施工時の作業内容によっても異なるということを把握しておきましょう。
ここでは、耐用年数を左右するいくつかのポイントをご紹介します。

1.塗料のグレード

シリコン塗料やフッ素塗料など、使用した塗料のグレードによって耐用年数が大きく異なります。
フッ素塗料やシリコン塗料など上位のグレードのものは、紫外線や雨水への対抗度を示す「耐候性」が優れていることから、耐用年数も長くなっています。
具体的な目安としては、シリコン塗料は10年から15年、フッ素塗料は15年から20年程度です。

また、同じシリコン塗料やフッ素塗料という枠組みの中でも、塗料内のシリコンやフッ素の含有量が多いほど耐久性が高くなるので、それに伴って耐用年数も長くなります。

2.外壁材との相性

同じグレードの塗料を用いても、外壁材の種類によって耐用年数が異なる場合があります。
塗料と外壁材の相性が良いほど耐用年数は長くなりますが、相性が良くないと数年で塗膜が剥がれてしまったり、ひび割れたりしてしまうので注意が必要です。

3.施工ルールをしっかり守る

古い塗料を剥がすケレン作業をはじめ、目荒らしや高圧洗浄などの外壁時状態を整える作業を行っているかどうかで、耐用年数まで塗料が長持ちするかどうかが決まります。
上記のような塗装の下準備は、塗装を長持ちさせるために必要不可欠な作業です。
塗装業者からの見積の中に上記の料金が記載されているか、あらかじめしっかり確認しておきましょう。

□外壁メンテナンスのタイミングとは?

どんなタイミングで塗装をすればよいのか把握することは難しいですよね。
基本的に、外壁の状態を確認し、劣化のサインが現れている場合は、メンテナンスを行うタイミングといわれています。
ここでは、劣化のサインとその対処法についてご紹介していきますので、一緒に見ていきましょう。

*チョーキング

外壁を触ったときに、手に白っぽいチョークの粉のようなものが付着したら、劣化しているサインです。
これをチョーキングといい、塗膜が薄くなり、塗料に含まれている顔料がむき出しになっていることで起こる現象です。

チョーキングを放置していると外壁の防水性が失われ、外壁材に水が入ってきてしまう恐れがあるので注意しましょう。

*塗装面の腫れや剥がれ・ひび割れ

外壁材と塗装の密着度が落ちてしまうと、塗装面が膨れて見えることがあります。
放置してしまうと塗装が剥がれてしまったり、ひび割れたりしてしまい、浸水の原因になってしまいます。

*カビやコケ

外壁の表面にカビやコケが発生・繁殖しているときは、外壁材が傷みやすい状況にあることが考えられます。
アレルギーやシックハウス症候群の原因にもなりかねないので、早めにメンテナンスをすることをおすすめします。

*金属部分のサビ

取り付け金具やベランダの手すり、窓枠など、金属部から発声したサビが外壁に伝わってしまっているケースがあります。
サビを放置してしまうとどんどん広がっていき、外壁に穴が開いてしまう恐れもあります。

上記の4つの劣化症状が見られたら、早めの外壁塗装を検討しましょう。

□セルフメンテナンスで塗装の耐久性を上げる

外壁塗装の耐用年数を長くするためには、日々のメンテナンスも欠かせません。
ここでは、耐用年数を長くできる2つのポイントをご紹介します。

・定期的な掃除

外壁に汚れている部分があるときは、定期的に掃除するようにしましょう。
塗装が汚れてしまうと、防カビ性や防水性などの性能が発揮できなくなることがあり、耐用年数が短くなってしまうことにつながりかねません。
汚れのこびりつきも防止できるので、汚れを見つけたら、柔らかい布やスポンジを使って落としましょう。

・定期点検

ご自身でのメンテナンスに加えて、プロに点検を依頼することも大切です。
素人では、外壁の異常に気づけないことも多く、劣化のサインを見逃してしまうことがあるからです。
定期点検を依頼することで、外壁全体を塗り替えたり、外壁材を取り替えたりする大規模な工事をする前に補修できますよ。

□まとめ

外壁の耐久性を表す塗料の耐用年数は、使用する塗料の種類や外壁材、施工時の作業内容によって異なり、一律になることはありません。
外壁塗装のメンテナンスが必要かどうかは、外壁の劣化状況で判断すると良いでしょう。
また、ご自身のセルフメンテナンスで耐用年数を長くするためには、定期的な掃除と、プロに依頼する定期点検が必要不可欠です。